かつてムジャキな子供だった人達への童話15【電子書籍】[ 川崎 キヨ ]

＜p＞＜strong＞おひさまのいねむり＜/strong＞＜/p＞ ＜p＞とてもおだやかな午後。
＜/p＞ ＜p＞あまりにのどかなポカポカ陽気だったので、森の動物たちはみんなで気持ちよさそうに、お昼ねなどをしています。
＜/p＞ ＜p＞と、その時でした。
＜/p＞ ＜p＞ズドドーン！＜/p＞ ＜p＞とつぜん、地面がわれるほどのはげしい地ひびき。
＜/p＞ ＜p＞地面といっしょに、動物たちの体も上下するほどの、ものすごいものでした。
＜/p＞ ＜p＞なんと、おひさまがいねむりをして、空から落っこちてきたのです。
＜/p＞ ＜p＞さあ、それからが大変。
＜/p＞ ＜p＞森の動物たちがみんなでおひさまを元の場所に戻そうとするのですが…。
＜/p＞ ＜p＞＜strong＞平和の鐘＜/strong＞＜/p＞ ＜p＞戦争が起こりました。
＜/p＞ ＜p＞それも長い長い年月。
＜/p＞ ＜p＞たくさんの人が亡くなりました。
＜/p＞ ＜p＞そして、街がメチャメチャになりました。
＜/p＞ ＜p＞家も学校も病院も全部壊されました。
＜/p＞ ＜p＞建物ばかりではありません。
＜/p＞ ＜p＞人々の心までも壊されました。
＜/p＞ ＜p＞人々は悲しみました。
＜/p＞ ＜p＞苦しみました。
＜/p＞ ＜p＞たくさん涙も流しました。
＜/p＞ ＜p＞そして、すっかり笑顔を忘れた頃、戦争が終わりました。
＜/p＞ ＜p＞ある街に、唯一の教会がありました。
＜/p＞ ＜p＞そして、そこには街の自慢でもある100年以上前のステンドグラスがありました。
＜/p＞ ＜p＞しかし、教会もステンドグラスも戦争で粉々になりました…。
＜/p＞ ＜p＞＜strong＞ふとんのなかのポカポカさん＜/strong＞＜/p＞ ＜p＞あるひのこと。
＜/p＞ ＜p＞おひさまが、ニコニコわらっている午後。
＜/p＞ ＜p＞ママがおふとんをほしていた。
＜/p＞ ＜p＞「ねえ、ママ。
どうしておふとんをほすの？」＜/p＞ ＜p＞ぼくがきくと、ママは、＜/p＞ ＜p＞「こうするとね、おふとんがポカポカさんのおかげで、あたたかくなるのよ」＜/p＞ ＜p＞って言った。
＜/p＞ ＜p＞そのよる。
＜/p＞ ＜p＞ぼくはおふとんにはいった。
＜/p＞ ＜p＞ほんとだ。
＜/p＞ ＜p＞ママの言うとおり。
＜/p＞ ＜p＞おふとんはポカポカさんのおかげで、とってもあったかい。
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